西宮の住宅  (長期優良住宅 認定)

 
  計画地は,西宮市甲子園二番町という非常に閑静な住宅街に位置する。近くに武庫川が流れ、緑と風の雰囲気に満ち溢れた街並みの一角にある。

  クライアントの義父は、プレカットの木材会社の事業者でクライアント本人もその会社に勤めている。よって、木造住宅にはその生産過程においても非常に精通しており、また建売住宅の建設も行っているので、建築資材一般の購入ルートにも詳しい。
今回、構造木材を十分に使える環境を背景として長期優良住宅としての申請を行った。また、将来性を考慮して比較的大きなスパンで大空間の構成とした。

  大空間構成は、当初 既製品の門型フレームを使用する予定であったが、色々調べているうちに、門型フレームの持つ問題、つまりコストとその性能の継続的な信頼性に疑問を抱いた。その結果、平面プラン上の他の部分に設置される耐震壁のバランスの良い配置と大きな梁背の梁を採用することにより、構造計画上で処理をした。

  長期優良住宅の認定のため、床下の点検スペースとして450以上の空間が必要であったり、設備の床埋設が認められなかったり、耐震・耐風等級2以上、省エネ基準等級4以上、結露防止基準等級4以上等の住宅性能が求められた。これらは建設コストの上昇につながるのであるが、建設資材の購入ルートの工夫により、非常にローコストで建設することができたと思う。  木造住宅は阪神大震災以降、構造的な規制が厳しくなったが、現場の技術の進歩を見るにつけ、さらなる可能性があることが確認できた。
大阪 建築事務所
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