敷地は上空を阪神高速が走る国道に面し,騒音振動など雑然とした雰囲気であるが,周囲には公共建築物や商店街があり比較的人通りの多い場所である。設計にあたり高速道路の橋脚や工場・倉庫群の無機的な景色の中に如何に有機的なデザインをなじませるかが最大の課題であった。
@建物全体の構造体を露呈させるスケルトンの イメージを印象つけること
A敷地は角地であるので曲線的要素を取り入 れて柔らかみを出すこと
この2点で「埋没と主張」の矛盾を外観デザインに凝縮した。
結果として外壁パネルやタイルが夕闇にまぎれたとき,コンクリートの骨格が浮かび上がり,橋脚の柱列や隣地の大きな外壁を微妙な緊張感を持ったリズムが生まれている。
今後この会館が地域医療のシンボルとして また,この地域の街並みの重要な構成要素の一つとして貢献することを期待したい。